空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

トムさんはつらいよ

『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(監督:エドワード・ズウィック / アメリカ 118分)

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【あらすじ】
元アメリカ軍のエリート秘密捜査官ジャック・リーチャーは、現在はたったひとりで街から街へと放浪の旅を続けている。ある日、ケンカ騒ぎの末に保安官に連行されそうになったリーチャーは、この騒動が何者かによって仕組まれたものだと気づく。元同僚のターナー少佐に会うため軍を訪れると、ターナーはスパイ容疑をかけられ逮捕されていた。ターナーを救い出したリーチャーは、軍内部に不審な動きがあることを知り、真相を探り出そうとするが……。(映画.comより)

リー・チャイルド原作の小説「ジャック・リーチャー」シリーズをトム・クルーズ主演で実写映画化した『アウトロー』(監督:クリストファー・マッカリー 2013)の続編。とにかくこの『アウトロー』って作品が大好きなんですよ!カット割りでアクションを見せるんじゃなくて、きっちりと闘っているところを描いてくれるところとか、地味だけど地に足がついているような雰囲気とか、夜のシーンの素晴らしさとか、挙げていけばキリが無いのです。主役であるジャック・リーチャーが醸し出す不思議な「コミュニケーションの不能感満々のムード」も大好物なのです。

だからすっごく楽しみにしていたんだけど、監督がエドワード・ズウィックに代わって「どうかな〜?」と一抹の心配をしていたんです。だって彼の作品を思い返してみると、あんまり印象が残ってない。良くも悪くも「普通の」作品て感じがするのです。『ラスト サムライ』とか……。

で、この『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』ですが、やっぱり「普通の」アクション映画になっていたのは、どんなにこのシリーズが好きな人だって否定は出来ないのです。ストーリーだって、すげーありがちな疑似家族ロードムービーだし。

でもですね!しかしですね‼︎ 僕はこの映画が嫌いになれない。トム・クルーズ演じるジャック・リーチャーが可愛いのです。人と話す時の距離が妙に近いリーチャー、女にはめっぽう弱いリーチャー、「あなたの娘です」と言われて目が泳ぐリーチャー、ちょっとしたドジを踏んで泡を喰らうリーチャー…etc。全てが可愛い。「可愛い」は最強なんですよ(©️みくりさん)。

トム・クルーズさんもですね、この人の名前を見ると半笑いになる人もいると思うんですよ。でもトムさんは、ホントに見事な役者さんなんです。この作品でも心情を説明するようなセリフはほとんど無くて、全てを表情のニュアンスだけで表現している。世間が思ってる以上に演技派なんです。もう一度言いますホントに見事です。

ラストで親指を立て、ヒッチハイクして去って行くリーチャー。このシーンは良かったですね〜。この時、僕の頭の中で流れていた音楽はコレ↓です。

「何を言ってるんだ?コイツは!」と思うかもしれないけど、この映画を観た人ならきっと賛同してくれるはずです。トム・クルーズがこんなにもフーテンが似合うとは思わなかった。「フーテンのトムさん」ですよ。この感じで3作目以降もお願いします。ただ監督はクリストファー・マッカリーさんに戻してもらえると、大変ありがたいのですが……。