空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

フィクションを作ることの意味って何だ?〜6月のレヴュー〜

なぜか6月のレヴューを書いた記事が消えてしまったので再掲。何を書いたのか?評価はどうだったのか?何も覚えていないので、前回とは☆の数が違ったり、違う短評を書いている場合があります。それも主観と偏見による今の感想だと思ってお許しください。

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6月のレヴューです。基準はいつものように主観と偏見だけ。

6月は『カメラを止めるな!』と『ブリグズリー・ベア』を同じ時期に観ることが出来るという幸せな月でした。テイストは全く違う両作だけど、「物語を作るということの意味は?」という問題について考えさせられる映画でした。フィクションでしか表現できない喜びは確かにあるし、フィクションを作ることでしか乗り越えられない悲しさもあります。それはまた同時に、僕たちはなぜ映画を観るのか?という問題とも密接に関係しているものです。これからも考察は続きます。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
ファントム・スレッド』☆☆☆
→服を作るという行為があんなにもエロいとは思わなかった。さすがポール・トーマス・アンダーソン
デッドプール 2』☆☆☆

→「正しきことを行う意味」というものを、あんなに下品に描いていることにスタンディングしてずっと拍手を送り続けたい。ライアン・レイノルズの過去の自分との決着のつけ方も最高。
犬ヶ島』☆
→不覚にも途中でウトウトしてしまった。本作だけじゃなく、ウェス・アンダーソンとは肌が合わない気がする。
恋は雨上がりのように』☆☆☆
→拾い物とはこういう作品を言うのだろう。本当に観て良かった!小松菜奈が走るシーンがあるんだけど、「女の子が全力で走る映画に駄作なし」と改めて確信した。大泉洋が相手役であることが物語が下品にならない要因だろう。得難い役者だなぁ。

ピーターラビット』☆
ピーターラビットってこんな話だっけ?と上映中ずっと思っていた。あれじゃ悪いのはウサギ達だとしか思えない。物語におけるリアリティー・ラインの引き方がブレていたと感じた。
万引き家族』☆☆☆
→2018年の日本で撮られるべき作品。家族も問題を描き続けてきた是枝監督の集大成のような映画だった。安藤さくらさんの演技にはただただ拍手。
『ラジオ・コバニ』☆☆☆
→目を背けたくなるような場面も出てくるけど、その絶望を乗り越えるための第一歩として声を届けようとする女性達の姿は美しい。
30年後の同窓会』☆☆☆
→何気ない会話を大事にするリチャード・リンクレイター監督らしい作品。人生のあり方をロード・ムービーとして描くところが実にアメリカ映画らしい。
『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』☆☆
東宝時代の話が中心で、三船プロ設立以後にフォーカスが当たらなかったのが残念だった。それでも『用心棒』が黒澤・三船コンビの最高傑作だという主張には諸手を挙げて賛成する。
セラヴィ!』☆☆
→ダメ人間しか出てこない群像劇。冒頭のシークエンスが少し退屈だったかな。劇中の諸問題が一点に集中いていく後半は気持ち良い。物語の締め方も素敵で、さすがのフランス映画ですよ。
『ブリグズリー・ベア』☆☆☆
→人が大人になる過程で必要なこととは?という普遍的な問題を描いた佳作だと思う。ハデな作品じゃないけど、たくさんの人に観て欲しい。あの役にマーク・ハミルを持ってきたことが素晴らしい。
カメラを止めるな!』☆☆☆
→とにかく映画館に行って観て欲しい。そして何が起こっているのか確認して欲しい。知恵と勇気があれば何だって出来るのさ!