日本の夏、強竜の夏〜7月のレヴュー〜
7月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。
1993年の夏に映画館で『ジュラシック・パーク』を観た時の感動は忘れられない。子供の頃にワクワクしながら図鑑で見ていた強竜たちが、まるで実際に生きているかのようにスクリーンの中で動いていた。
そして2018年。今年の夏も映画館に強竜たちが戻ってきた!25年前と比べるとCGのクオリティは格段に進歩し、恐竜の実在感はより増してきた。もうお腹いっぱいだという声も聞こえないではないのですが、ジュラシック・シリーズを観るのは人類の義務だと思っています。ということでスキップしながら映画館に行くのです。だって動いてる恐竜を観るのは楽しいでしょ⁉︎
☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
『ガザの美容室』☆☆
→すぐ隣で起きている狂気。それに日常で対抗しようとする女性の強さを感じた。彼女たちは抑圧されている存在かもしれないけど、その実はしたたかで強い。繋がれたトラはその象徴ではないか?人がバタバタと死んでいくことはないが、この作品は紛れもなく戦争映画だった。
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』☆☆☆
→1973年を舞台にした話だけど、これは21世紀の今日だからこそ作られなけばならなかった映画だ。いつものチャーミングなエマ・ストーンはスクリーンの中にはいないけど、それがまた良い。「○○らしくあらねばならない」という考え方が、いかに人々を不幸にしてきたのかと改めて強く思う。
『ワンダー 君は太陽』☆☆
→予告編を観た時は「あ〜いつもの難病、お涙頂戴か…」と思っていたら、そんな浅はかな予想を蹴っ飛ばしてくれる良作でした。特に主人公のお姉さんのエピソードを丁寧に描いていたのが素晴らしい。その描写が物語に深みを与えていた。
『ジュラシック・ワールド / 炎の王国』☆☆
→ジャンル映画として最高だった。特に前半のパークが崩壊する場面はずっと体が強張るくらい面白い。ただ展開として次作へのつながりの部分が多いので、作品単体としてはこの評価。いずれベロキラプトルは喋り始めるんじゃないか?
『ワンダーランド北朝鮮』☆☆
→北朝鮮での撮影ということで、当然ですが彼の国が見せたいものしか映っていない。でもそこには透けて見える現実がある。そこをもう少し踏み込んで欲しかったかな…と思う。北朝鮮のプールではビキニが禁止というのは初めて知った。
『リチャード・リンクレイター 職業:映画監督』☆☆☆
→ハリウッドとは距離を置きつつも、コンスタントに僕たちの心に届く作品を撮り続けているリンクレイター監督についてのドキュメンタリー。彼を褒め称えるだけではなく、ちゃんと良い悪いの作品批評をしているところが良いね。監督の過去作をまた観たくなった。そしてこれからの新作も観続けようと決心した。
『スウィンダラーズ』☆☆☆
→詐欺師の話で、絶対に騙されないぞ!と思って観ていたのですが、最後に「あーーっ!そうか‼︎」と膝を叩きそうになってしまったので、コチラの負けです。続編もありそうなので楽しみ。
『未来のミライ』☆
→細田監督はもっと出来る子のはずです……。映像はさすが!と思わせてくれるんだけどね。今作は自分には合わなかったということです。
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』☆☆☆
→前作で魅力的な音楽を聴かせてくれたミュージシャンたちが一人また一人といなくなっていくのは寂しいけれど、そういう悲しみを抱きながらも音楽は続いていくのだと深く思う。まさにNo Life No Music。
『グッバイ・ゴダール!』☆☆
→ステイシー・マーティンがとにかくキュートだ。女性から見たゴダールはとにかくダメ人間。その描き方が面白かった。この映画を観て、またゴダールの映画を観ると感想は変わってくるな、きっと。
『ビューティフル・デイ』☆☆☆
→主人公がどういう人生を歩んできたのかなどを一切説明せずに物語が展開したり、作中の伏線が回収されずに終わったりと観客に解釈の大部分を委ねる作品だけど、この映画に関しては、そこにリアリティーを感じる。実際の生活なんてそんなものでしょ?原作からの改変部分もテーマ性をより浮き立たせていた。ラストの締め方も好きです。
8月も夏休み映画の季節だ!何はともあれ『ミッション:インポッシブル / フォールアウト』ですよ‼︎