空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

結局は「自分のことだと思えるか?」なんだよ〜6月のレヴュー〜

6月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。

『主戦場』

この映画に対しては右派の方から様々な妨害や誹謗中傷、さらには上映中止を求める裁判まで起こされているけど、作中では、慰安婦の存在を肯定する側に対してもインパクトある出来事とか数とか科学的にハッキリしてない部分を感情的にアピールすることは、本質をズラし、歴史修正主義者にまた否定する論拠を与えると述べられていて、この問題に対する監督の冷静でフェアな眼差しが感じられた。

それにしても歴史修正主義の人々は、どうして揃いも揃ってあんなに薄ら笑いを浮かべているのか?そいう顔でとんでもないことを滔々と話す。ラストに登場する日本会議の中心人物の言動には、劇場内から笑いが起こった。その中で、ある人物の「歴史修正主義者をやめたら敵がいなくなった」という言葉は印象的だった。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも

◎は旧作
『アナと世界の終わり』☆
→予告編のゾンビが出現して大騒ぎになっている街中を投稿するシーンは面白かったんだけどね……。残念ながら、それ以上のものが無かった。ゾンビ映画としてもミュージカルとしても消化不良。
『神と共に  第一章:罪と罰』☆☆
→面白かった!地獄めぐりしながら主人公の人生が語られるのだけど、その地獄の描き方がバラエティーに富んでいたね。エンドロール後に流れるマ・ドンソクのアップからの第二章の予告は反則。
ヒトラー vs ピカソ  奪われた名画のゆくへ』☆☆
→まずナチスに略奪された60万点の絵画のうち、見つかったのは10万点しかないという事実に驚く。権力が芸術の良し悪しを判断することの恐ろしさをしみじみ感じる。
ふたりの女王  メアリーとエリザベス』☆☆
→この題材は死刑になったという悲劇性からかメアリーに視点をおいた描き方をされることが多い。本作もそうだった。エリザベスからの物語も観たい。
『僕たちは希望という名の列車に乗った』☆☆☆
ベルリンの壁が建つ前の話。高校生をじわじわと追い込んでいく権力側のやり方がエグい。タイトルの通り「希望という名の列車に乗った」彼ら彼女らに拍手を送らずにはいられない。その後のことを語らないのも余韻があって良いね。自分ならどうするか?を語り合いたい映画。

ノーザン・ソウル』☆☆
→青春映画が好きだ!プラス音楽映画だったらもっと好きだ‼︎ 変に恋愛に振らず、男同士の友情を軸に描いていたことが良かったね。
『魂のゆくえ』☆☆☆
→世の中の答えの出ない問いに向かい続け、果ては信仰まで揺らいでいく神父をイーサン・ホークが静かに熱演。彼が出ている映画にハズレなし。
『さよならくちびる』☆☆
→旅に出て窓から流れる風景を見ている時、僕たちは昔の自分と向き合わざるを得ない。だからロードムービーはストーリーの展開がわかっていても作られ続けるんだろう。思いは寄せられている方のモノだけど、寄せている方だって辛いんだよなぁ。

『愛がなんだ』☆☆

→この映画の登場人物と同世代じゃなくて本当に良かった。それでも昔のことを思い出して、ワーっと叫びそうになった。ラストカットの意味を考えるだけで、ご飯三杯はイケるね。
『スノー・ロワイヤル』☆
→予告編で期待を上げすぎました。最後のバトルがあっさりしていて拍子抜けした。

メン・イン・ブラック  インターナショナル』☆☆
→ゴージャスだしクリス・ヘムスワースのコメディ演技も大好きだけど、楽しさという点では過去作に及ばなかったなぁ。
『ナイトクルージング』☆☆
全盲の加藤さんが映画を作るということが面白い。映画は完成するのだけど、それが加藤さんが思い描いていたものにどこまで迫れているのか?に興味がある。色彩という概念はループしているという考え方が印象に残った。

『主戦場』☆☆☆

→いわゆる歴史修正主義者と同じ土俵に乗る危うさをテンポの良い編集や監督自身によるナレーションの語り口などで回避している。2019年必見の作品。

X-MEN:ダーク・フェニックス』☆

→本当にこれで終わりなのか?だとしたら残念でならないよ……。
スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』☆☆
→『アベンジャーズ / エンドゲーム』で抜け落ちていた視点を見事に補完する、まさにフェーズ3を締めくくるに相応しい作品でした。

◎『ゴッドファーザー』 ☆☆☆

→エンドロールが終わり、劇場が明るくなっても目を瞑って座席に深く座っていたくらいたっぷり余韻に浸った。初めて人を殺した後からのマイケルから感じられる艶っぽさにゾクゾクっとした。

◎『日本のいちばん長い日』☆☆☆

→登場人物に必要以上にフォーカスを当てない語り口が事態の緊迫さをより際立たせている。リメイク版(2015)との最も顕著な違いはやはり汗だ。あの濃い空気感はアナログだからこそ映し出すことが出来るんだろうな。玉音放送の文言が決定した後、首相に暇乞いを告げに来た時の三船敏郎の表情はチャーミングとしか言いようがない。

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7月はトイ・ストーリー 4』ですね。『3』の見事としか言いようがない終わりから、どのような続編になっているのか?今度は「子供にとって何がおもちゃなのか?」って話なのかなぁ。楽しみです!

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