空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

花は枯れたとしても花束を貰った記憶だけは〜2月のレヴュー〜

2月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。

印象だけでパスだなぁ〜思っていた映画が自分の映画だ!と思えるようになることが年に一作くらいある。『花束みたいな恋をした』はそんな映画だった。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも

◎は旧作
『花束みたいな恋をした』☆☆☆
→素晴らしい時間でした。いつまでも記憶に残る映画です。観る人全てが「これは自分の現在であり、経験した、もしくはこうであったかもしれない過去であり、これから出会う未来の物語だ」と思うんじゃないかな?確かにこの作品は恋愛映画です。でも恋愛の映画じゃなくて、恋愛についての映画です。ひとつの恋愛の始まりと終わりを(別れの原因が難病とか事件に寄るものではなく)普通の生活の中にあるものとして、こんなにしっかり描いた作品は、日本映画では思い浮かびません。坂元裕二さんが脚本を書く作品が全てそうであるように、この映画も「いくら重なり合うように思えても、他者は他者である」ことをクールに、でも限りなく優しい視線で観せてくれます。もちろんいつものようにセリフ回しは心地良いのだけど、作品の魅力をさらに増してくれるのが有村架純さんと菅田将暉さんの演技でした。恋愛が始まる前から終わった後に至るまで、2人の表情の変化の様は、現実いる知り合いなんじゃないか?と思ってしまうほどでしたよ。そして物語の閉じ方のなんと爽やかなことよ!特にラストカットの見事さは心の中ではスタンディング・オベーションで盛大に拍手していました。ぜひともみんなに観てもらいたい。花は枯れてしまっても、花束をもらったという記憶は無くならないと良いなぁ。

『すばらしき世界』☆☆☆
→刑務所を出て社会の中で暮らしていこうとするけど、変わってしまった現代日本の有り様や抑えきれない自分の性(サガ)故にどうしても衝突を繰り返してしまう男の苦悩と諦念を役所広司が熱演。個人的に役所広司のベストアクトの一つだ。 ヤクザを描く映画として、暴力性をしっかり描いているのも良い。だからこそ「すばらしき世界」というタイトルが意味を持ってくる。脇を固める役者陣も魅力的だ。仲野太賀、この人の名前を覚えてください。今後きっといろんなところで目にすることになります!また梶芽衣子さんが、実に彼女らしい演技をしていることも忘れられない。必見。

『ガンズ・アキンボ』☆☆
→観た後に何も残らないけど、最高に楽しい!ストーリーは予定調和だけど、それで面白いのがB級なのだ。

『バクラウ 地図から消された村』☆☆
→『ミッドサマー』のようにスタイリッシュではないけど、こっちには有り余る熱さがある。 そこが良いです。前半の「どこに連れて行かれるんだろう」感が満載なのも好きだ。

『オールドガード』☆☆(Netflix
→主人公たちが無敵のようだけど、しっかり弱点も設定してあるところが良い。こうするとアクション描写に幅が出る。シャーリーズ・セロン以外は人物背景が薄いが、それは次作か。

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3月は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』以外のありえない。

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