空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

全ては挨拶から始まる〜1月のレヴュー〜

1月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。2018年も映画を通していろんな世界と出会えることを期待しています。

パディントン2』。前作のさらに上をいく傑作。早くも今年のベスト10入りは確実か⁉︎ 派手な宣伝はしてないけど、口コミで評判が広がっているみたい。そういうことがあるから映画館に行くことをやめられない。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
嘘八百』☆☆
→これぞ日本のお正月映画。ストーリーは「負け犬たちのOnce Again」なので笑いながらも熱くなってしまいましたよ。今「与太郎」を演じさせたら、佐々木蔵之介さんの右に出る人はいないんじゃないかな?
『バーフバリ 王の凱旋』☆☆☆
→インド映画です。度肝を抜かれるほど何もかもが最高でありました!大声で「バーフバリ!バーフバリ!」と叫びたい。マサラ上映を激しく希望。
キングスマン ゴールデン・サークル』☆☆
→期待を裏切らないアクションの爽快感。グロさは1.5倍増し。ガジェットも楽しい。このシリーズはロジャー・ムーア期の007の後継者だ。ただチャニング・テイタムは無駄遣いだよなぁ〜。
『素晴らしき映画音楽たち』☆☆☆
→名作と呼ばれる映画はいつも素晴らしい音楽の記憶と共にある。ジョン・ウィリアムズの偉大さを再確認。エンニオ・モリコーネにもう少し言及して欲しかった。
ジャコメッティ 最後の肖像』☆
ジャコメッティの面白さや面倒くささは伝わって来たけど、物語の展開が淡々とし過ぎていて、中途半端な印象。好きな人は好きなんだろうけど……。
戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』☆☆
→「タンカーを襲ってきた海賊を水中で全員ぶちのめす」オープニングはかなり気分が上がる。ウー・ジン演じる主人公が強過ぎて口あんぐり(←褒めてます)。でも「中国バンザイ!」的な愛国ムードは苦手かな。
ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』☆☆
→オープニングの「敵地に潜入してからの戦車で大暴れ、基地でJ・K・シモンズの説教」という流れは、めちゃくちゃ好きなんだけど、それだけに後半の失速感が残念でならない。
嘘を愛する女』☆☆
→予想と全く違う作品だったので驚いた。長澤まさみ吉田鋼太郎のバディムービーとして観たら面白い。川栄李奈の回し蹴りにはただただ感心する。この人を主演にして女子プロ映画を作ってはもらえないだろうか?
ジオストーム』☆
→パニック映画としてもディザスター映画としてもSF映画としてもアクション映画としても、いずれも中途半端に終わっている感じ。予告編が一番おもしろいかなぁ……。
パディントン2』☆☆☆
→冒頭でさりげなく語られる前作からの経過の説明が、後半の物語を進めるキーになっていて、脚本が本当に上手だなぁ〜と拍手したくなった。パディントンの周りには優しい世界が広がっているけど、それを否定する人物もちゃんと描いているところも良かった。『1』移民問題のメタファーだったとすると、『2』は彼ら彼女らがコミュニティの一員としての市民になる話だったんじゃないかな?そしてその第一歩は挨拶から始まるってところが素晴らしいと思いましたよ。必見!

2月はいよいよアカデミー賞の候補作品が公開され始めます。目が離せませんが、邦画も負けず劣らず濃い作品ばかりで楽しみでなりません。

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2017年ベスト10 & ワースト3(訂正版)

2017年のベスト10 & ワースト3です。僕の独断と偏見以外の何物でもありません。基準となるのは「どれくらい俺の映画だったか」だけ。「自分のベスト10と違う!」と言われても困ります。クレームその他は受け付けません‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

*ベスト10のランキングを訂正しました。

 

【ベスト10】
第10位 『ありがとう、トニ・エルドマン』
親って存在はとても大事であると同時に、同じくらい厄介なものでもあるのです。

第9位 『お嬢さん』
エロくて変態しか出てこないけど、サスペンスとして全く飽きない素晴らしい作品だった。観ないと損します。

第8位 『ビジランテ
ずっとヒリヒリとして緊張感が迫って来て、ずっと体を硬くしていた。エンドロールが終わってもしばらく立ち上がれなかった。僕が東京に出て来た理由がこの映画の中にはあった。小説やマンガが原作ではない、オリジナル脚本のこの作品が公開されたことは、日本映画にとってとても良かったと思う。

第7位 『ドリーム』
年に1本しか映画を観ない人に「今年の映画で何を観ればいい?」と質問されたら、食い気味でこの作品を推す!

第6位 『勝手にふるえてろ
ずっとこの世界に浸っていたいと思わせてくれる作品だったし、何よりも松岡茉優さんが強く印象に残った。

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第5位 『僕のワンダフル・ライフ
In Memory of My Loving KAREN.

第4位 『ドラゴン×マッハ!』
トニー・ジャーvsウー・ジンvs マックス・チャンの闘いは、この映画を観た者へのご褒美です。どうかマックス・チャンの名前だけでも覚えて帰ってください。

ベスト3の前に、惜しくもベスト10に入らなかった作品です。「これがベスト10だ!」という人がいても強く同意する素晴らしい作品たちです。
ザ・コンサルタント
『サバイバルファミリー』
『メッセージ』
『沈黙 サイレンス』
ラ・ラ・ランド
『おとなの事情』
全員死刑
スター・ウォーズ/最後のジェダイ
女神の見えざる手
特にこの5本は本当に僅差でした。何なら全部1位です。
『パターソン』

エル ELLE

『夜は短かし歩けよ乙女』

新感染 ファイナル・エクスプレス

『ナイスガイズ!』

第3位 『花筐 HANAGATAMI』
大林宣彦監督の作品を観ずして日本映画を語ることはできない。いつまでもお元気でいて欲しい。

第2位 『マンチェスター・バイ・ザ・シー

第1位 『ムーンライト』

この2本は「人は故郷とどう付き合っていくのか」を描いている作品だった。そしてそれは僕自身の問題でもある。

 

【部門賞】
・ベストガイ賞:國村準
『哭声 / コクソン』

・ベストガール賞 :

ジェシカ・チャステイン

松岡茉優
女神の見えざる手

ユダヤ人を救った動物園〜アントニーナが愛した命〜』

勝手にふるえてろ
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食物連鎖の頂点に立っておられるで賞:シャーリーズ・セロン
ワイルドスピード ICE BREAK』

アトミック・ブロンド

KUBO クボ 二本の弦の秘密(声の出演)

・2017年で一番好きなシーン賞
僕のワンダフル・ライフより

カレンを同じようにブランコに乗せて遊んだことを思い出します。しかも同じコーギーだからなおさらです。

 

【ワースト3】
第3位 『キング・アーサー

第2位 『メアリと魔法の花』

第1位 『DESTINY 鎌倉ものがたり


2018年もドキドキワクワクする映画と出会えることを強く強く願うのです。

2017年ベスト10 & ワースト3

2017年のベスト10 & ワースト3です。僕の独断と偏見以外の何物でもありません。基準となるのは「どれくらい俺の映画だったか」だけ。「自分のベスト10と違う!」と言われても困ります。クレームその他は受け付けません‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ 


【ベスト10】
第10位 『バンコクナイツ』

閉塞感から抜け出そうとしても逃げることは出来ない。そんな現実を富田克也監督は容赦なく描き出す。でも微かでも希望はあるんだよ。
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第9位 『ありがとう、トニ・エルドマン』

親って存在はとても大事であると同時に、同じくらい厄介なものでもあるのです。

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第8位 『お嬢さん』

エロくて変態しか出てこないけど、サスペンスとして全く飽きない素晴らしい作品だった。観ないと損します。
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第7位 『ビジランテ

ずっとヒリヒリとして緊張感が迫って来て、ずっと体を硬くしていた。エンドロールが終わってもしばらく立ち上がれなかった。僕が東京に出て来た理由がこの映画の中にはあった。小説やマンガが原作ではない、オリジナル脚本のこの作品が公開されたことは、日本映画にとってとても良かったと思う。
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第6位 『ドリーム』

年に1本しか映画を観ない人に「今年の映画で何を観ればいい?」と質問されたら、食い気味でこの作品を推す!

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第5位 『僕のワンダフル・ライフ

In Memory of My Loving KAREN.
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第4位 『ドラゴン×マッハ!』

トニー・ジャーvsウー・ジンvs マックス・チャンの闘いは、この映画を観た者へのご褒美です。どうかマックス・チャンの名前だけでも覚えて帰ってください。
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ベスト3の前に、惜しくもベスト10に入らなかった作品です。「これがベスト10だ!」という人がいても強く同意する素晴らしい作品たちです。
ザ・コンサルタント

『サバイバルファミリー』

『メッセージ』

『沈黙 サイレンス』

ラ・ラ・ランド

『おとなの事情』

全員死刑

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

女神の見えざる手

特にこの5本は本当に僅差でした。何なら全部1位です。

『パターソン』

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エル ELLE

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『夜は短かし歩けよ乙女』

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新感染 ファイナル・エクスプレス

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『ナイスガイズ!』

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第3位 『花筐  HANAGATAMI』
大林宣彦監督の作品を観ずして日本映画を語ることはできない。いつまでもお元気でいて欲しい。
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第2位 『マンチェスター・バイ・ザ・シー
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第1位 『ムーンライト』
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この2本は「人は故郷とどう付き合っていくのか」を描いている作品だった。そしてそれは僕自身の問題でもある。


【部門賞】
・ベストガイ賞:國村準

『哭声 / コクソン』

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・ベストガール賞 :ジェシカ・チャステイン

女神の見えざる手

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ユダヤ人を救った動物園〜アントニーナが愛した命〜』

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食物連鎖の頂点に立っておられるで賞:シャーリーズ・セロン

ワイルドスピード ICE BREAK

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アトミック・ブロンド

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KUBO クボ 二本の弦の秘密(声の出演)

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・2017年で一番好きなシーン賞

僕のワンダフル・ライフより

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カレンを同じようにブランコに乗せて遊んだことを思い出します。しかも同じコーギーだからなおさらです。


ワースト3】
第3位 『キング・アーサー
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第2位 『メアリと魔法の花』

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第1位 『DESTINY 鎌倉ものがたり

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2018年もドキドキワクワクする映画と出会えることを強く強く願うのです。

これは皆の物語〜4月のレヴュー〜

4月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。In Moonlight Black Boys Look Blue.

『ムーンライト』。大切な作品になりました。主人公に寄り添うような音楽も素晴らしいのです。たくさんに人に観て欲しいと思います。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
『ジャッキー ファーストレディ/最後の使命』☆☆
ナタリー・ポートマンの役への没入は相変わらずスゴイ。しかし作品としては、実話ベースで、それをドキュメンタリーチックに撮っているので、映画としての盛り上がりには欠ける。アメリカの歴史を予習してから観ると面白さは増すかな。'60年代のファッションはステキだ。
パッセンジャー☆☆
→予告編から想像していた内容とは違っていたけど、それなりに楽しめた。主人公の行動をどう考えるかによって作品の評価は変わるかな。あるシーンでのジェニファー・ローレンスの表情の演技は必見。
『はじまりへの旅』☆☆
→アメリカ北西部の森の奥深くで現代社会に触れることなく暮らす家族の話。現代社会への批判をしながらも、同時にそこから離れた生活の不器用さも描いている。ラストシーンの余韻の素晴らしい。
『人生フルーツ』☆☆☆
→愛知県にある高蔵寺ニュータウンを手がけた建築家とその妻の晩年の物語。優しく美しく生きることができる方法を教えてくれる。ドキュメンタリーとしての描き様も上品だ。
『午後8時の訪問者』☆☆
→この作品にはBGMが一切流れない。だからこそチャイムや電話の呼び出し音にドキッとし、そしてそれがこの映画の世界が僕たちの現実の世界と繋がっていることを強く印象付ける。
夜は短し歩けよ乙女☆☆☆
→ドラッギーな映像がとても心地よい。夜遊びの楽しさを思い出させてくれる。映像化された「詭弁踊り」が見られただけで大満足。
『ムーンライト』☆☆☆
→孤独と向き合うとはどういうことかを教えてくれる。ここに描かれているのは、僕たち皆の物語なのだ。映像の美しさにも心を打たれる。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』
→近未来の描写が古臭く感じた。今考えると、押井守監督版の『攻殻機動隊』は面白かったんだなぁ〜と思ったりして……。
『レゴバットマン・ザ・ムービー』☆☆
→『ダーク・ナイト』以降のバットマンを主人公にした映画の中で一番面白かったんじゃないか⁉︎ ずっとニヤニヤしながらも観てたよ。
『LION / ライオン〜25年目のただいま〜』☆☆
→タイトルの意味が明らかになるラストで、思わず涙してしまった。登場人物たちの笑顔がステキだ。
3月のライオン 後編』☆☆
→まだ完結していない原作の映画化作品としては、とても丁寧で真摯に作ってあった。映画オリジナルの展開が多かったけど、違和感は無かった。最後の最後で豊川悦司がオイシイところを全て持っていったね。
美女と野獣☆☆☆
→ひたすらエマ・ワトソンの美しさを堪能。歌も上手なんですね〜。絶対に字幕版で観るのが良いですよ。ただ所謂「ディズニー・プリンセス」の描き方として、最近の流れの中にどう位置づけるかは一考の余地あり。
『T2 トレインスポッティング☆☆
→20年ぶりに会ったアイツらは、やっぱりダメ人間のままだった。スクリーンから「お前は人生を選んだか?」と問いかけられる。作品としては一作目の衝撃には及ばないです。
『イップマン 継承』☆☆☆
→家庭人としてのイップ・マン(=ドニー・イェン)も良いのです。「近くにいる大切な人を守る」ことを描いた作品でありましたよ。最後の戦いに赴くイップ・マンに、「それでこそ私のイップ・マンよ」と語りかける奥さんの姿に深くうなずきながら涙するのです。
グリーンルーム☆☆
→売れないパンクバンドがネオナチの巣窟に放り込まれたら……という話。90分間ノンストップで進むいかにもなジャンル映画。セリフにも笑ったし、敵のネオナチ集団がチャンとしてるのか?バカなのか?よくわからないところも面白い。

5月はファミリーと共に北極で潜水艦と戦い、銀河の守護者として宇宙を守るのだ。

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振り切った先に見えてくるもの〜3月のレヴュー〜

3月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。韓国映画の魅力爆発の春です。

僕が韓国映画を観る理由は、その振り切り方が「どうかしてる」こと。『アシュラ』『お嬢さん』『哭声 / コクソン』は、まさに「ザ韓国映画」でした。この3本を同時に観ることができる日本は、ある意味で本国より幸せかもしれません。この中で僕の心に一番グッと来たのはパク・チャヌク監督の『お嬢さん』。艶めかしく美しい。「×ちん×」「お××こ」という言葉をこんなに映画館で聴いたのは初めてでしたよ。成人指定だから、お子さまは観ちゃダメよ。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
『彼らが本気で編むときは、』☆☆
→ここで描かれているのは、「愛情とは何か」ということ。主人公がトランスジェンダーであることは(良い意味で)重要ではない。井上直子監督の作品は、どちらかと言えば苦手だったのですが、本作はもう一度観たいと思った。
トリプルX:再起動』☆☆
ヴィン・ディーゼルvsドニー・イェンってだけでも映画館に駆けつけねばならないのだ!観ながらドンドンIQが下がっていく(←最高の褒め言葉)。
バンコクナイツ』☆☆
→実に空賊(←「くぞく」と読みます)らしい映画だったけど、前作『サウダーヂ』を観たときのヒリヒリするような切迫感がなかったのですよ。それは舞台となったタイの空気かにあるのかな?と思ったりしている。夜のバンコクトゥクトゥクで疾走するオープニングは最高!
『アシュラ』☆☆
→悪人しか出てこない。北野武監督作品に近いテイストだけど、突き放したような虚無感さえある北野作品に比べ、こちらは登場人物にべったりくっついてギラギラしている。そこに韓国的なものを感じた。カーチェイスのシーンはどうやって撮ったのかわからないくらいカッコいい。
『花束を未来にして』☆☆
→イギリスで女性参政権を得るために闘った人々の話。主人公を演じたキャリー・マリガンの心の変化を表情で表す演技が素晴らしい。
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』☆☆
ナチス戦争犯罪告発に執念を燃やしたフランクフルトの検事長フリッツ・バウワーがアイヒマンを追い詰めていく姿を描く。だがそこにはドイツ内部に残るナチス残党の妨害があり……。『顔のないヒトラーたち』の前日談的な作品。バウワーが「ドイツの誇り」について語る場面はジンとくる。セクシャルマイノリティーの問題を入れることで、ストーリー・テリングが散漫な印象になったことは否めない。
『しゃぼん玉』☆☆
→スクリーンから聴こえてくる故郷の言葉に何とも言えない気持ちになる。ホントに地味な作品だけど、生きてくってこういうことだよな!と思う。全てを描かない終わり方も良い。
『お嬢さん』☆☆☆
→作品の展開に、えっ!と思ったり、あっ‼︎と息をのんだり、おおっ‼︎‼︎とドキドキしたり。とりあえず観て欲しい。そしてコソコソと語り合いたい。
『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』☆☆
→前半の変なギャクでゲンナリしかけたんだけど、後半からの説得力ある展開で盛り返した。広瀬すず全開の映画ではありますが、個人的には親友役の中条あやみのこれからに注目したい。
『WE ARE X』☆☆
→X弱者の僕でも楽しめた。バンドの負の部分もちゃんと描いていたのが良いね。
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』☆☆
→「悲しみとの向き合い方」は人それぞれで、立ち直るには自分で何とかするしかないって感じが好きでしたね。それにしてもナオミ・ワッツは、どうしてこんなにシングル・マザーの役が似合うんだろう?
『哭声/コクソン』☆☆☆
→観ている間も、観た直後も、そしてしばらく時間が過ぎた今でも自分の解釈が合っているのか考えずにはいられない。ファン・ジョンミンの役者としての振り幅の大きさに拍手。
『SING シング』☆☆☆
→No Music No Lifeな映画でしたよ。登場人物(登場動物?)が多いんだけど、短いエピソードを付すだけでそれぞれの人となりがちゃんと理解できる。それだけで作り手たちの腕を感じる。ウェルメイドってのは、こういうことですよね。『glee/グリー』が好きだって人にはオススメです!
『3月のライオン 前編』☆☆
→まず何より原作を丁寧に映像化していて好感が持てる。役者さんそれぞれの手が美しいのが印象的。予告編を観ると、後編にはかなり原作にないシーンがあるようで、その辺がどうなってるのか興味深い。
アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』
→淡々と話が進み過ぎ。何かの教材ビデオのような感じでしたよ。描いている題材は面白いのに、映画としては……残念。
キングコング 髑髏島の巨神』☆☆☆
地獄の黙示録×キングコング!映画館でこそ観るべき作品。IMAX3Dがオススメ。今度のコングはかなりのイケメン。モンスターのデザインも好きですね〜。アクションに隙間がなく、ストーリー運びのテンポも良い。監督のジョーダン・ヴォクト=ロバーツはこれが劇場長編は2作目。すごい才能が眠っていたものだと思うと同時に、そんな海のものとも山のものともわからないくらい若い監督に、こんな大作を任せるアメリカの映画会社の胆力を感じる。エンドロールになっても席を立っちゃダメですよ。このキングコングがどうやってゴジラと戦うのか⁉︎ 今から楽しみですならない。
『変態だ』☆☆
→「変態だ」としか言いようがない。ちゃんとエロを描いていたのが良かったね。ラストは口あんぐり。

4月は何と言っても『イップ・マン 継承』(監督:ウィルソン・イップ)ですよ。ブルース・リーの師匠であるイップマンの生涯を描くシリーズの3作目。主演はもちろんドニー・イェン!『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』でチアルートを演じた人です(←こういう説明をしなくてもすむ世の中になることを強く望みます)。今作ではマイク・タイソンと戦います。達人はまるで舞踏のように闘う。

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映画は踊る!〜2月のレヴュー〜

2月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。「どうか乾杯を 夢見る愚か者に」(‘Audition’ from “La La Land”)

今年のアカデミー賞はまさに前代未聞でした。歴史に残る場面を目撃できたってことでは面白かったのですが、『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』の関係者には本当に気の毒だったなぁ〜と思わずにはいられない。両方とも観るべき素晴らしい作品なんですよ。日本のニュースやワイドショーではあの騒動のことしか報じてないのは本当に残念です。二作品の価値とは何の関係もないことです。ということでイチオシは『ラ・ラ・ランド』!この映画は魔法です。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
ザ・コンサルタント☆☆☆
ベン・アフレックは遂に当たり役を掴んだ!ストーリーのバランスとかアクションの見せ方とかすごく変なんだけど、クセになって何度も観たくなる。シリーズ化を強く希望。
『スノーデン』☆☆
→スノーデンの心の葛藤はよく描かれていたけ、物語にカタルシスが足りない感じ。実話ベースの映画だから仕方がないのかな。
ドクター・ストレンジ
→映像表現は確かに凄い!が、それ以上にストーリー的にはイマイチの感じです。期待値を上げ過ぎたか?ただマントはとっても可愛い。
マグニフィセント・セブン☆☆
→男の好きなものの全てが詰まっている。7人がそれぞれ黒人、白人、メキシカン、アジア人、ネイティヴ・アメリカンと雑多な人種で構成されているのが21世紀的。デンゼル・ワシントン(『七人の侍』で言えば志村喬)が戦いに参加するバックストーリーを付けたことで☆ひとつ減。
『アンチポルノ』
→僕にとってダメな方の園子温でした。
『14の夜』☆☆
→中学生達がHな妄想をしながらも、その妄想はオッパイ止まりだったり、自分が何者か分からず、親に反抗したりする姿に、35年前の自分を見るようで悶絶していた。映画館を出る時、僕はあれからどれだけ大人になったんだろうか?と夜空を見上げたのでした。
『ショコラ 君がいて、僕がいる』☆☆
→フランスで初の黒人芸人になったショコラと相方のフティットの物語。オマール・シーは良い役者だなぁ〜。どんな人だって笑われることと笑わせることは全く違う。そういうことを考えた。
『疾風スプリンター』☆☆
→ストーリーは、もうベタで、なんて言って良いか、少年ジャンプ的なラブコメ!でも自転車レースシーンは最高‼︎
『過激派オペラ』
→知人に2016年のベスト級と言われて観たのですが……。熱気は感じるんだけど、それが空回りしている印象。舞台だとまた感じが違うのかも。
『サバイバルファミリー』☆☆
→スクリーンの中の突然電気が使えなくなった世界を観ていて、今感じているこの違和感は何だろう?と考えていたんだけど、それが雑踏の音の有無であると分かった時、少し怖くなった。この映画もまた3.11後の世界を描いている。
『マリアンヌ』☆☆
→堂々たるラブロマンス!車や窓の使い方がオーソドックスだけど印象に残る。ロバート・ゼメキスは新作が公開されたら必ず観なければならない監督の一人だ。
虐殺器官☆☆☆
→難解な言葉を使っての台詞合戦がたまらなく好き!でも同時にその部分が原作未読者を置いてけぼりにするよなぁ〜とも思う。ハリウッドで実写化してくれると嬉しい。
『The NET 網に囚われた男』☆☆☆
→自分の意思に反して韓国に漂流してしまった北朝鮮の漁師の話。「ただ普通に暮らしたい」という主人公の願いが叶わない世の中っていったい……と暗い気持ちになる。邦題が全てを表している。
『ホワイトリリー』☆☆
→ロマンポルノ・リブートシリーズ5作品の中では最もロマンポルノらしい作品でした。監督は『リング』の中田秀夫。エロとホラーは脳内の同じところにあるのか?
『バック・イン・タイム』☆☆
→『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を生み出した人々、この作品を愛して止まない人々、そしてこれから好きになるであろう子供たちのための映画。
『ナイスガイズ!』☆☆☆
→1970年代後半のロサンゼルスが舞台で、汚職とポルノ産業が絡んでくるフィルム・ノワール。大好物です!ライアン・ゴスリングのダメ人間ぶりが最高。くっっだらないギャグに爆笑しながら、「俺だってたまには勝つさ」という台詞に涙。これこそハードボイルド中のハードボイルドだ。アンゴーリー・ライスのこれからに注目。
『愚行録』☆☆
満島ひかりの前に言葉を無くしてしまう。鬱々とした映画で嫌な気分になるけど、その「嫌さ」から目を離すことができない。
『I AM YOUR FATHER / アイアムユアファーザー』☆☆
→『スター・ウォーズ』ep4~6で、ダース・ベイダーの中の人として活躍したデビッド・プラウズは何故ある時期から「スター・ウォーズ」公式イベントへの出入りを禁止されてしまったのか?その真相を探るドキュメンタリー。映画で人生が変わった人は多い。たとえそれが幸せか不幸かは別にしても……。
『ラ・ラ・ランド』☆☆☆
→ラスト10分に涙を流さない人とは友達になれません!

3月はチアダンスを踊りながら、南の島に謎の巨大ゴリラを探しに行くのです!

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アジア映画だって負けない!〜1月のレヴュー〜

1月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。2017年も素晴らしい映画に出会えますように。

『沈黙-サイレンス-』も観て欲しいのですが、今月一番のオススメは『ドラゴン×マッハ!』。たくさんの人が映画館に行って、アジア映画がもっともっと公開されるようになると嬉しいなぁ〜。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも

ヒトラーの忘れもの』☆☆
デンマークにドイツが地雷を埋めて、戦後デンマークはその除去をドイツの少年兵達にやらせたという史実をベースにした映画。派手ではないが衝撃的だ。戦闘を描かない戦争映画の力作。鑑賞後にいろいろ調べて、背景により複雑なものがあることを知り、より言葉を失う。
『MILES AHEAD マイルス・デイビス空白の5年間』☆☆
ドン・チードルマイルス・デイビス愛が溢れている作品。決して史実どおりではないけど、マイルスのエッセンスはこの映画の中に確かにある。
『ダーティ・グランパ』☆☆
→思ってた以上にど下ネタが炸裂しまくりでしたよ。それをロバート・デ・ニーロが嬉々として演じているのが良い。でも演じているキャラクターの内面を語り始めると引き込まれる。やっぱりデ・ニーロは凄い。
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』☆☆
→『シン・ゴジラ』のようなお役所段取り映画で、それぞれのやりとりが面白いんだけど、現代の実際の戦争がこうであるのかと思うと、背筋が寒くなる。
ドント・ブリーズ☆☆☆
→とにかく観ろ!としか言えない。全てのカットが意味を持っている。
『イエスタデイ』☆☆
→この映画の登場人物たちは『シング・ストリート』の少年たちのように才能も無いし、チャンスも活かせない。でも普通の日常ってこんなものだよ。彼らはもうバンドなんてやらないんだろうけど、ビートルズに憧れた日々は色褪せない。
『ホワイト・バレット』☆☆
→脚本は破綻気味だし、ラストの銃撃戦は既視感アリアリだけど、それでもやっぱりジョニー・トー。手に汗握ります。
『人魚姫』☆☆
チャウ・シンチーの映画としか言いようがない。ギャクとドラマのアンバランスさが最高だ。警察署のシーンと鉄板焼きのシーンは、涙を流しながら笑ってしまった。
『ドラゴン×マッハ!』☆☆☆
→ストーリーとアクションが見事に融合している。ここ何年かで観た香港アクション映画の中でもベスト3に入る作品。これが東京では1館でしかやっていないとはどういうことなんだろう。マックス・チャンvsウー・ジン&トニー・ジャーの戦いは、拍手をしたくなるほど素晴らしい!
『牝猫たち』☆☆☆
→『凶悪』や『日本で一番悪い奴ら』以上に白石和彌監督の作品らしい。俳優陣もそれぞれ存在感があって見応えがある。
ネオン・デーモン
→途中まではとっても好きな雰囲気だったんだけどね〜〜。
『沈黙 サイレンス』☆☆☆
マーティン・スコセッシの「当時の幕府の彼らへの拷問は暴力だが、宣教師が持ち込んだ唯一の神も、日本人には一種の暴力だった」という言葉が全てです。観た人と語り合いたい。

2月はララ〜ララ〜〜と歌うのです。