空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

振り切った先に見えてくるもの〜3月のレヴュー〜

3月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。韓国映画の魅力爆発の春です。

僕が韓国映画を観る理由は、その振り切り方が「どうかしてる」こと。『アシュラ』『お嬢さん』『哭声 / コクソン』は、まさに「ザ韓国映画」でした。この3本を同時に観ることができる日本は、ある意味で本国より幸せかもしれません。この中で僕の心に一番グッと来たのはパク・チャヌク監督の『お嬢さん』。艶めかしく美しい。「×ちん×」「お××こ」という言葉をこんなに映画館で聴いたのは初めてでしたよ。成人指定だから、お子さまは観ちゃダメよ。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
『彼らが本気で編むときは、』☆☆
→ここで描かれているのは、「愛情とは何か」ということ。主人公がトランスジェンダーであることは(良い意味で)重要ではない。井上直子監督の作品は、どちらかと言えば苦手だったのですが、本作はもう一度観たいと思った。
トリプルX:再起動』☆☆
ヴィン・ディーゼルvsドニー・イェンってだけでも映画館に駆けつけねばならないのだ!観ながらドンドンIQが下がっていく(←最高の褒め言葉)。
バンコクナイツ』☆☆
→実に空賊(←「くぞく」と読みます)らしい映画だったけど、前作『サウダーヂ』を観たときのヒリヒリするような切迫感がなかったのですよ。それは舞台となったタイの空気かにあるのかな?と思ったりしている。夜のバンコクトゥクトゥクで疾走するオープニングは最高!
『アシュラ』☆☆
→悪人しか出てこない。北野武監督作品に近いテイストだけど、突き放したような虚無感さえある北野作品に比べ、こちらは登場人物にべったりくっついてギラギラしている。そこに韓国的なものを感じた。カーチェイスのシーンはどうやって撮ったのかわからないくらいカッコいい。
『花束を未来にして』☆☆
→イギリスで女性参政権を得るために闘った人々の話。主人公を演じたキャリー・マリガンの心の変化を表情で表す演技が素晴らしい。
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』☆☆
ナチス戦争犯罪告発に執念を燃やしたフランクフルトの検事長フリッツ・バウワーがアイヒマンを追い詰めていく姿を描く。だがそこにはドイツ内部に残るナチス残党の妨害があり……。『顔のないヒトラーたち』の前日談的な作品。バウワーが「ドイツの誇り」について語る場面はジンとくる。セクシャルマイノリティーの問題を入れることで、ストーリー・テリングが散漫な印象になったことは否めない。
『しゃぼん玉』☆☆
→スクリーンから聴こえてくる故郷の言葉に何とも言えない気持ちになる。ホントに地味な作品だけど、生きてくってこういうことだよな!と思う。全てを描かない終わり方も良い。
『お嬢さん』☆☆☆
→作品の展開に、えっ!と思ったり、あっ‼︎と息をのんだり、おおっ‼︎‼︎とドキドキしたり。とりあえず観て欲しい。そしてコソコソと語り合いたい。
『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』☆☆
→前半の変なギャクでゲンナリしかけたんだけど、後半からの説得力ある展開で盛り返した。広瀬すず全開の映画ではありますが、個人的には親友役の中条あやみのこれからに注目したい。
『WE ARE X』☆☆
→X弱者の僕でも楽しめた。バンドの負の部分もちゃんと描いていたのが良いね。
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』☆☆
→「悲しみとの向き合い方」は人それぞれで、立ち直るには自分で何とかするしかないって感じが好きでしたね。それにしてもナオミ・ワッツは、どうしてこんなにシングル・マザーの役が似合うんだろう?
『哭声/コクソン』☆☆☆
→観ている間も、観た直後も、そしてしばらく時間が過ぎた今でも自分の解釈が合っているのか考えずにはいられない。ファン・ジョンミンの役者としての振り幅の大きさに拍手。
『SING シング』☆☆☆
→No Music No Lifeな映画でしたよ。登場人物(登場動物?)が多いんだけど、短いエピソードを付すだけでそれぞれの人となりがちゃんと理解できる。それだけで作り手たちの腕を感じる。ウェルメイドってのは、こういうことですよね。『glee/グリー』が好きだって人にはオススメです!
『3月のライオン 前編』☆☆
→まず何より原作を丁寧に映像化していて好感が持てる。役者さんそれぞれの手が美しいのが印象的。予告編を観ると、後編にはかなり原作にないシーンがあるようで、その辺がどうなってるのか興味深い。
アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』
→淡々と話が進み過ぎ。何かの教材ビデオのような感じでしたよ。描いている題材は面白いのに、映画としては……残念。
キングコング 髑髏島の巨神』☆☆☆
地獄の黙示録×キングコング!映画館でこそ観るべき作品。IMAX3Dがオススメ。今度のコングはかなりのイケメン。モンスターのデザインも好きですね〜。アクションに隙間がなく、ストーリー運びのテンポも良い。監督のジョーダン・ヴォクト=ロバーツはこれが劇場長編は2作目。すごい才能が眠っていたものだと思うと同時に、そんな海のものとも山のものともわからないくらい若い監督に、こんな大作を任せるアメリカの映画会社の胆力を感じる。エンドロールになっても席を立っちゃダメですよ。このキングコングがどうやってゴジラと戦うのか⁉︎ 今から楽しみですならない。
『変態だ』☆☆
→「変態だ」としか言いようがない。ちゃんとエロを描いていたのが良かったね。ラストは口あんぐり。

4月は何と言っても『イップ・マン 継承』(監督:ウィルソン・イップ)ですよ。ブルース・リーの師匠であるイップマンの生涯を描くシリーズの3作目。主演はもちろんドニー・イェン!『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』でチアルートを演じた人です(←こういう説明をしなくてもすむ世の中になることを強く望みます)。今作ではマイク・タイソンと戦います。達人はまるで舞踏のように闘う。

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