空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

人生を肯定する物語〜11月のレヴュー〜

11月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。

初めてクイーンを知った中学生になったばかりの頃だった。従兄弟のレコード(!)棚から勝手に持ち出して聴いていた(当然、後でブン殴られたけど…)。その時聴いたのは『世界に捧ぐ』。‘We Will Rock You’とか‘We Are The Champion’が入ってるアルバムだ。それからR&BとかHip-Hopとか好きなジャンルが変わったり、聴くメディアもLPからCD、配信になったりしたけど、ずっと僕のfavorite であることに変わりはない。そして『ボヘミアン・ラプソディ』。期待以上だった。ラストのライブ・エイドのシーンでは自然と涙が溢れてきた。確かに史実と違ったり、南アフリカでのライブという大事なことが描かれていなかったりと不満なところは確かにある。でもこの映画には「人生を肯定する思い」が溢れている。それは誰にも否定できない。

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも
『search / サーチ』☆☆☆
→PCのモニターの中だけでもに語りが進む構成が斬新。サスペンスとしては普通だけど、そこがこの映画を21世紀的なものにしている。SNSのアカウントひとつで、ここまでいろんなことが判明してしまうのか⁉︎と少し怖くもなる。
デス・ウィッシュ』☆☆
チャールズ・ブロンソン主演『狼よさらば』のリメイク。主人公の設定を外科医に変えたことが中盤のあるシーンでとっても効果的にイキテくる。また「素人が銃を撃つとこうなります」って描写は映画で初めて観た。面白かったんだけど同時に「アメリカの銃社会問題って……」とも思わされてしまい、暗澹とした気持ちにもなりましたよ。
ピッチ・パーフェクト  ラストステージ』☆
→登場人物の誰に焦点を合わせているのかが分かりにくく、それ故にラストの展開に唐突さを感じてしまう。やはりこのシリーズは一作目がベストだ。劇中で歌われる曲はどれも良いです。
『ヴェノム』☆☆
→『ど根性ガエル』+『寄生獣』。相棒(バディ)映画は大好物で、今作も楽しんだことは楽しんだけど、脚本が雑過ぎたかな?あんなに誰にでも(何にでも)シンビオートが寄生できるんだったら、実験は簡単に成功してたんじゃないか?がアメリカでR指定を避けるためだったのかもしれないけど、ゴア描写をもう少しちゃんと入れて欲しかった。
ライ麦畑で出会ったら』☆☆☆
→『ライ麦畑でつかまえて』の雰囲気を上手にストーリーの味付けに使っている上質の青春ロードムービー。誰でも避けていた事実に向き合う時が来る。そんな時、こんなディーディーみたいな女の子が自分の横にいてくれたら素敵じゃないか‼︎
ボヘミアン・ラプソディ』☆☆☆
→クイーンの楽曲が持つ力強さを再確認。メンバーを演じた役者さんたちのなりきり具合がとにかく完璧。「サン・シティ問題」に全く触れていないことは引っかかるけど、音楽映画、伝記映画の新しい傑作であることに間違いはない。
GODZILLA 星を喰う者』☆
→三部作を通してかなり挑戦的なゴジラ映画ではあった。メカゴジラモスラキングギドラの描き方も面白い。現代社会に対する問題提起されているが、最も残念だったのはその問題提起を全てセリフで説明していること。ゴジラ映画においてはゴジラ自身の圧倒的存在感で以ってそれを描写して欲しい。
『アンクル・ドリュー』☆☆
→王道の人生ONCE AGAIN映画。特別なことは何もない。予想通りのストーリーがサクッと進んで行く。だからそれが良いのです。
『華氏119』☆☆☆
→絶望しきったところからしか新しいことは始まらないのか…と思ってしまう。ここで描かれているのは5年後の日本か?そうするかどうかは僕たち次第だ。
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』☆☆☆
→最高に面白い。前作より人間味が増した感じ。最初から最後まで緊張を強いられるけど、それがまた心地良くもある。テイラー・シェリダン(今作では脚本)の作品にハズレなし!早く続編を希望します‼︎
イット・カムズ・アット・ナイト』☆☆
→主人公の少年が見る夢が次第に現実との区別がつかなくなる描写が良い。極限状態になった時の人間の不安と残虐性に背筋が冷たくなる。宣伝されてるようなホラーではないけど、これはこれで十分に怖い。
さよなら、僕のマンハッタン』☆
→監督がマーク・ウェブということで、観る前の期待値を上げ過ぎたかな?主人公に全く魅力を感じなかった。
『グッバイ・クリストファー・ロビン』☆☆
→もう一つの『プーと大人になった僕』。原作者のA.A.ミルンとその家族の物語。「やはりプーさんは子供(特にクリストファー・ロビン)以外と喋っちゃダメなんだよ!」とこの映画を観て改めて強く言いたい。
ゆれる人魚』☆☆
→人魚を主人公にしたミュージカル・ホラー。ポップでグロテスク。不思議な雰囲気の映画でしたよ。ディズニーではあり得ない苦いお伽話。

ギャングース』☆☆☆

→ストーリーは重く苦いものだけど、それをコメディのように描いている。そういう姿勢は日本映画では珍しく貴重だ。その軽さが逆に事の深刻さを浮き彫りにしてくれる。この映画がシネコンではたった2週間で打ち切りになるのは、とても残念だ。日本社会の暗部から目を背けずに撮り続けている入江悠監督には全力で頑張れ!と言いたい。

  
いよいよ12月です。この年の瀬になって年間ベスト級の映画が公開されて困ってしまいます。『ヘレディタリー / 継承』はホラーというジャンルのマスターピースになるような作品だし、あと何より『アリー スター誕生』が楽しみでなりません。音楽映画が豊作だった今年だけど、ラストを飾るこの作品はどうなのか?また映画を観た帰りにCDショップによってサントラを買ってしまうのか⁉︎

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