空中秘密基地 2

映画や本の感想が中心です。当然ですが僕の主観と偏見で書いてます?

何度でも立ち上がる〜3月のレヴュー〜

3月のレヴュー。基準はいつものように主観と偏見だけ。

スーパーヒーローは戦います。でも同時に「人生は勝ち負けではない」ということを教えてくれます。人生で最も価値があることとは「敵を打ち負かし、勝つこと」ではないということを僕たちは学びました。だってそれだけが目指すべきものだったら、スーパーヒーロー達の映画はつまらないものになるでしょう。

スパイダーマン:スパイダーバース』と『キャプテンマーベル』。主人公たちは何度叩きのめされても、その度に立ち上がります。その姿を観ると、いつも「あ〜、ヒーロー映画が好きで良かった!」と熱いものがこみ上げてきます。

キャプテン・マーベル』では、オープニングのマーベルロゴが去年の11月に亡くなったスタン・リーへ捧げられた特別なものになっていました。ありがとう、スタン!あなたが創造したヒーロー達のおかげで、僕たちはこのクソみたいな現実になんとか立ち向かっていこうという勇気が湧いてくるよ‼︎

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☆☆☆…観ないと後悔しますよ!
☆☆……ちょっと時間があるって時にどうぞ
☆………観なくていいかも

◎は旧作
『グリーンブック』☆☆☆
→雰囲気はどこまでも品があり、脚本も細部まで練られているし、役者さんたちの演技も目を離せないものだった。でも(たとえ役割が以前と逆になってるとは言え)黒人と白人が旅をして心を通わせるという物語に、「あ〜またここからなのか?」という気分にもなった。
『ビール・ストリートの恋人たち』☆☆
→監督の前作『ムーンライト』と同様に独特な色調の美しさに目を奪われる。しかし語られているストーリーは、その背景も含めて苦い。ここで終わり?というラストにフィクションを超えたリアルさを感じる。
『移動都市 / モータル・エンジン』☆
→原作が好きで、よくぞ映像化してくれた!とは思うのだけど……。
『THE GUILTY  ギルティ』☆☆☆
→主人公は緊急コールセンターで働いている。物語はそこにかかってきた電話の声だけで進んでいく。動きのない地味な画面だけど、これがまた極上に面白い。よく聴くと音響に細心の注意が払われていることがわかる。映画館で「聴く」べき作品。
『翔んで埼玉』☆
→文字通り埼玉県人が世界で一番楽しめる映画。満点の☆ひとつ。多摩川を最終防衛ラインとして埼玉の侵攻を食い止めなければならない。
『迫り来る嵐』☆☆
→ノアールに雨はよく似合う。舞台は1997年の中国。この後20年で中国は劇的に変わる。その変化に取り残されていく人々。タイトルはそのメタファーか?

『ROMA / ローマ』☆☆
Netflixで配信された作品だけど、これは間違いなく映画館で観るべき作品。モノクロの画面が時間が経つにつれて色彩を帯びてくるように感じられる。クライマックスのカットはまるで宗教画のようだ。
『運び屋』☆☆☆
→同時代にクリント・イーストウッドの作品を観られる僕たちは幸せです。この作品の軽快さは何だ?とても88歳の監督が撮ったものとは思えない。劇中のヨボヨボな老人はイーストウッドが「演技」していたものと知り驚く。まさに拍手。
『シンプル・フェイバー』☆☆
→どうしても『ゴーン・ガール』を思い出してしまうサスペンス映画だけど、ポール・フェイグが撮ってるだけあって、どうしても笑ってしまうシーンがあちこちにあって楽しい。アナ・ケンドリックのコメデイエンヌとしての素養が大爆発している。
スパイダーマン:スパイダーバース』☆☆☆
→過去に映像化されたスパイダーマン映画の中で一番好きだ。文字通り「親愛なる隣人。スパイダーマン」な映画だ。
キャプテン・マーベル』☆☆☆
キャプテン・マーベルは宇宙最強だけど、同時にとても身近な女性としても描かれている。彼女の最大の魅力です。そしてその「普通さ」は女性がヒーローとなる映画の新しい扉を開いたことを意味します。公開前にはくだらない奴らから謂れのないバッシングを受けたけど、観客の気持ちがそれを押しのけて世界中で大ヒットしていることが嬉しい。女の人だからって、どうしていつもニコニコしてなきゃならないんだよ?ここぞって時には最高の笑顔を見せてくれてるじゃん!キャロル、カッコいいよ‼︎ 
『イップ・マン外伝  マスターZ』☆☆☆
→この作品単体として観ても勧善懲悪の武侠映画として大満足だけど、イップ・マンシリーズを全部観てからだとより面白さが増す正に外伝らしい外伝でした。チョン・ティンチ(マックス・チャン)が真の師匠(シーフー)になる物語であったのだなぁ……と胸が熱くなりました。
『バハールの涙』☆☆☆
→ドキュメンタリーじゃないかと思うほどのリアルさに圧倒される。バハールが銃を手にしなければならなかった状況を思うと慄然とせざるを得ない。でも僕たちはそれを十全には理解してないし、また出来ないだろうとも思う。
『YUKIGUNI』☆☆
→カクテル「雪国」を考案した井山計一さんと彼のバー‘ケルン’のドキュメンタリー。マスターとは井山さんのような人のことを言うのだろう。ただの「すごい人物語」ではなく、家族との葛藤もちゃんと触れていたことが良かったね。

ウトヤ島、7月22日』☆☆

→2011年7月22日に起きたノルウェー連続テロ事件の一つ、ウトヤ島で起きた銃乱射事件を映画化した作品。全編のうち72分間をワンカットで撮影。あまりに辛くて、「早く終わってくれ!」と念じながら観た。『バハールの涙』にもあったんだけど、このクソみたいな現実を抗う手段として歌を歌うというシーンがあって、そこに少し救いを感じた。

バンブルビー』☆☆☆

バンブルビーと主人公の女の子との青春映画としてすごく楽しめる。デートムービーとして一番のオススメです。声を失ったバンブルビーが’80年代(物語の舞台です)のヒット曲を使って意思疎通するのもツボでしたよ。

『サンセット』☆

→監督の前作『サウルの息子』と同様に、カメラは主人公の知覚に重ねられ、「直接描写」を徹底的に避けて撮影されている。よって観客が観ている映像は本当のことなのか?という不思議な感覚になる。しかしそれが成功していたか?と言えば……。物語の推進力が弱いように感じた。

『ブラッククランズマン』☆☆☆

スパイク・リーの怒りが溢れ出ている作品。事前にどういう時代の話か?を予習してから観ると面白さが増す。最後の映像に賛否があるけど、自分はアレがあってこそのこの映画であると思う。

『世界一と言われた映画館』☆☆

→映画館のある街はそれだけでも幸せだ。大杉漣さんのナレーションも愛に満ちている。

◎『恐怖の報酬』オリジナル完全版☆☆☆

→とんでもない映画です。爆発、炎、嵐、泥…全てがリアル。むき出しの生と死が描かれている。今のCGを見慣れている人には、今作を観て口をあんぐりしてもらいたい。

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4月はやっぱりアベンジャーズ/エンドゲーム』ですね。大事なことなのでもう一度書きます。4月はやっぱりアベンジャーズ/エンドゲーム』ですね。僕でも思いつく「時間を巻き戻す」以外の、アッと言って顎が外れてもどらないくらいのラストを観せてください。今から体調を整えて待ってます。

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